AIの回答を他人への依頼に使う前に一次情報で裏取りする
概要
AIツールの回答をそのまま社内依頼に転記して失敗した経験から、「一次情報の裏取り」の重要性を再認識した話。
何が起きたか
Notion連携の設定でAIに聞いた回答を、そのまま社内の権限付与依頼に貼り付けて提出した。結果、依頼を受けた側から以下の指摘を受けた。
- 「AIがこう言っているから」は根拠にならない
- 依頼先が正しいか判断できる材料(一次情報へのポインタ)がない
- 依頼先にゼロから検証コストを転嫁している
実際、AIの回答はSelf-Hosted方式前提の不完全な情報で、公式ドキュメントを確認すればHosted MCP(OAuth認証)で簡単に解決できる内容だった。
なぜ問題なのか
1. 依頼先に不要な検証コストを負わせる
依頼を受けた人は「この情報は正しいのか?」を判断するために、結局自分で公式ドキュメントを読むことになる。依頼者が本来やるべき作業を他人に押し付けている構図になる。
2. 根拠のない情報は信頼されない
「AIが言っていた」は「ネットに書いてあった」と同じレベル。技術的な依頼において、公式ドキュメントのURLや具体的なバージョン情報がないと、受け手は何も判断できない。
3. 文脈の妥当性は依頼者が考えるべき
今回の例では、APIトークンの権限範囲やセキュリティ上の考慮といった、依頼先が気にするポイントを依頼者側で検討すべきだった。AIはその組織固有の事情を知らない。
改善後のワークフロー
Before:
AIに聞く → 回答をそのまま依頼に転記
After:
AIに聞く → 公式ドキュメントで裏取り → 根拠URLを添えて依頼
具体的には:
- AIの回答は「調査の起点」として使う — 最終的な根拠にしない
- 一次情報のURLを必ず添える — 公式ドキュメント、リリースノート、RFC等
- 依頼先の視点で考える — 受け手が判断に必要な情報を先回りして提供する
- わからないことは「わからない」と言う — AIの回答で武装するより正直な方がまし
教訓
AIの出力は下書きであって、根拠ではない。
他人に何かを依頼するとき、その内容の妥当性に責任を持つのは依頼者自身。AIを使うこと自体は問題ないが、裏取りなしに他人の時間を使わせるのは無責任になる。
「調べてないけどわかりません」の方が、「AIがこう言ってます」より誠実なケースもある。